12月 14, 2017 2011年6月22日水曜日 自己啓発セミナーで死者、法廷で明かされるASK社の実態(上) 2010年1月、東京都府中市で自己啓発セミナー会社「 ASKグローバルコミュニケーション 」(現ASKアカデミー、東京都豊島区、代表=松田友一氏)が開催したセミナーで、マルチ商法会社「ニューウェイズジャパン」(NWJ)(神奈川県横浜市神奈川区、当時の代表=戸田廣美氏)のディストリビューター(販売員)だった男性(当時26歳)が死亡。男性の両親が両社と関係者ら損害賠償を求めた民事訴訟が、大阪地方裁判所で行われています。まずはこの事件の背景にある、マルチ商法と自己啓発セミナーの関係をリポートします。 ■受講生死亡でも、セミナーを継続 大阪地方裁判所 この事件は2010年1月、東京府中市の「ホテルコンチネンタル府中」地下で開催されたASKのセミナー「アドバンス」コース(料金18万円、4日間)の3日目に、「プリマドンナ」「ベリーダンサー」などに扮して踊る「ストレッチ」と呼ばれる実習の最中に受講生の男性が動けなくなり、亡くなったものです。同年4月、男性の両親はASK、NWJ、両社の当時の役員、NWJのディストリビューター・グループ「ワンダーランド」の代表者(嶋村吉洋氏)に対し、計約1億2000万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こしました。 訴状によると、このセミナーを受講していた約30人の受講生の全員が、NWJのディストリビューター・グループ「ワンダーランド」のメンバーだったとのことです。死亡した男性は、「アドバンス」コースの3日目の朝、一番最初にほか2人の受講生と一緒に「プリマドンナ」に扮して踊り、少なくとも30分踊った後で午前10時頃に倒れ、11時27分にホテルのフロントが消防署に通報して救急車を呼んだものの、同日午後12時半に病院で死亡が確認されたとのことです。 ASKでは男性が倒れた後も、そのままセミナーを続け、男性の死亡が明らかになった翌日の4日目のセミナーも最後まで行ったといいます。 ■ニューウェイズ販売員が集まった自己啓発セミナー 両親は訴訟の中で、男性は肥満で脂肪肝傾向にあったがそれ以外は全て正常で、特に心疾患などはなく、「急激で激しい運動を強いられたために死亡...